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システムバックアップ

2026 年 07 月 14 日

BCP・ランサムウェア対策に不可欠な「システムバックアップ」

~有事に事業を止めないための備えとは?~

近年、企業を取り巻く IT リスクは大きく変化しています。地震や台風などの自然災害だけでなく、ランサムウェア攻撃やシステム障害、ネットワーク障害など、事業継続を脅かすリスクが増加しています。
こうした状況において、企業が安定した事業運営を継続するためには「BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)」の整備が重要です。帝国データバンクが 2026 年 6 月に発表した「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査」(有効回答企業数:1 万 521 社)によると、BCP について「策定意向がある」と約 5 割の企業が前向きな姿勢を示しており、BCP 策定企業は 21.4%と年々増えています。 その中でも、特に重要な施策として注目されているのがシステムバックアップです。

BCP 対策におけるバックアップの重要性

BCP の目的は、事故や災害が発生した際にも重要業務を継続し、可能な限り短時間で通常業務へ復旧することです。しかし、どれだけ高性能なシステムを導入していても、以下のような事態を完全に防ぐことは困難です。

  • 地震・水害・火災などの自然災害
  • ハードウェア故障
  • 人的ミスによるデータ削除
  • サイバー攻撃
  • システム障害
  • ネットワーク障害

これらのリスクに備えるためには、システムやデータを復旧可能な状態で保管しておく必要があります。バックアップは単なるデータ保管ではなく、「業務停止時間を最小限に抑えるための経営インフラ」と言っても過言ではありません。

ランサムウェア攻撃がバックアップ対策を変えた

近年特に深刻化しているのがランサムウェア攻撃です。ランサムウェアは企業のサーバーや PC 内のデータを暗号化し、復旧と引き換えに身代金を要求するサイバー攻撃です。従来はオンラインストレージや NAS へのバックアップで十分と考えられていましたが、現在のランサムウェアはバックアップ領域も狙います。例えば、ランサムウェアによって以下が暗号化されてしまうケースがあります。その結果、「バックアップはあるが復旧できない」という最悪の事態が発生します。

  • ファイルサーバー
  • NAS(ネットワーク接続型ストレージ)
  • バックアップサーバー

オフラインバックアップが求められる理由

そこで重要となるのがオフラインバックアップです。オフラインバックアップとは、バックアップ媒体をネットワークから完全に切り離した状態で保管する方式を指します。オフライン環境で保管されたバックアップは、ランサムウェアがアクセスできないため、万一システムが感染しても復旧用データを保護できます。オフラインバックアップは「BCP 対策」「ランサムウェア攻撃対策」「ネットワーク障害対策」に有効であり、以下の効果が期待できます。

  • 重要データの保護
  • リカバリー可能な状態の維持
  • 業務停止時間の削減
  • 迅速なシステム復旧

サイバーレジリエンスを支えるバックアップ

現代のセキュリティにおいて、「防御」だけでなく、サイバー攻撃を受けても業務を継続し、速やかに復旧できる能力(サイバーレジリエンス)への取り組みが重視されています。 完全にサイバー攻撃を防ぐことは難しいため、以下のような考え方が必要になります。「バックアップがある」ことよりも「すぐに復旧できる」ことが重要になっています。

  • 攻撃されることを前提にする
  • システム停止時間を最小化にする
  • データ損失を防ぐ
  • 迅速に復旧する

システム丸ごとバックアップの価値

データファイルだけを保存するバックアップでは、OS やミドルウェアの再構築に時間がかかります。
一方でシステムイメージ型のバックアップでは、以下をまとめて保存できるため、短期間での復旧が可能です。

  • オペレーティングシステム(OS)
  • 設定情報
  • アプリケーション
  • ミドルウェア
  • データ

万全な BCP を実現する「システムバックアップ」×「データバックアップ」のハイブリッド運用

ここで重要になるのが、「システムバックアップ」と「データバックアップ」の組み合わせです。それぞれ役割が異なるため、両者を組み合わせることで BCP に向けた万全なバックアップ体制をとることができます。

バックアップの種類 主な保護対象 更新・取得頻度 復旧時の役割
システムバックアップ OS、設定情報、アプリケーション、ミドルウェアなど 低(システムの構築時や変更時) サーバーや PC の「土台(環境)」を丸ごと復元する
データバックアップ 日々更新される業務データ、データベースなど 高(毎日・毎時間など) 「最新の業務成果」を直前の状態まで復元する

万が一の障害やインシデントの際は、システムバックアップで取得したサーバーの構成や設定などのデータでシステム環境を復旧し、データバックアップで取得した直近の最新データを戻す運用が、復旧時間とデータ損失を最小限に抑えるサイバーレジリエンスの最適解となります。

システムバックアップソリューション選定のポイント

企業がシステムバックアップ製品を選定する際には、以下のポイントを確認することが重要です。

  1. オフラインバックアップに対応しているか
  2. システム全体を復旧できるか
  3. 復旧時間を短縮できるか
  4. 複数の OS に対応しているか
  5. 長期サポートを受けられるか

まとめ

企業の BCP 対策において、システムバックアップはもはや「あれば安心」というレベルではなく、事業継続に欠かせない基盤となっています。特に近年は、自然災害をはじめ、ランサムウェア攻撃、システム障害、ネットワーク障害などへの対策としてオフラインバックアップの重要性が高まっています。

また、サイバーレジリエンスの観点からは、「攻撃を防ぐこと」だけでなく、「攻撃後にいかに早く復旧できるか」が企業価値を左右する時代になっています。そのため企業は、バックアップの取得だけで満足するのではなく、以下を組み合わせた総合的な対策を進めることが求められています。

  • 復旧手順の整備
  • 定期的なリストア訓練
  • オフライン管理
  • システム丸ごとバックアップ

システム丸ごとバックアップ・リカバリーできる「MIRACLE System Savior」

サイバートラストが提供する「MIRACLE System Savior(MSS)」は、Linux や Windows 環境を対象にシステム全体をバックアップし、BCP 対策やランサムウェア対策、迅速なシステム復旧を実現することが可能です。詳しくは、「MIRACLE System Savior」の製品情報をご参照ください。

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この記事の著者
 著者近影:田上 利博
田上 利博

サイバートラスト フィールドマーケティング部 担当部長。25 年以上にわたりセキュリティベンダーで営業、プロダクトマーケティングに携わり、サイバーセキュリティやデジタル改革に関連する法制度、DX 推進などに関する講演・記事執筆を多数行う。また、サイバーセキュリティや DX、トラストサービスなどに関わるさまざまな業界団体での活動も兼任。2025 年 12 月、日本サイバーセキュリティ産業振興コミュニティ(NCPC)運営委員に就任。