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Linux OS

2026 年 06 月 03 日

AI 特需でサーバー不足が深刻化:現行システムの安全な延命戦略

~「仮想化やクラウド移行における、ハード不足の影響は?」疑問に回答~

「新しいサーバーを発注したのに、納期が半年以上先と言われた ......」 「移行計画を立てたいけれど、そもそもハードウェアがいつ届くか分からない」

今このようなサーバー調達難の壁にぶつかっていませんか?

AI 需要の爆発的な拡大、世界的な地政学的リスク、そして半導体や部材調達の遅延。これらが複雑に絡み合い、現在、企業の IT インフラを支えるサーバー機器の調達のリードタイムが極めて長期化しています。こうした傾向は 2027 年までは続くと見込まれており、その間に 現行システムで動いている OS や OSS(オープンソースソフトウェア)のサポート期限(EOL: End of Life)は次々とやってきます。

「サーバーが届かないから、仕方なく古い OS のまま動かし続ける」 ――もしその選択をしてしまっているなら、あなたの会社は今、予期せぬセキュリティインシデントに巻き込まれるリスクを抱えている状態と言えます。

本記事では、サーバー調達までの移行の空白期間を安全に乗り切るために、今すぐ実践すべき計画的かつ安全なシステム延命戦略を解説します。

1. なぜ「待てば解決する」は通用しないのか? 移行を阻むボトルネック

数年前までの IT インフラ調達であれば、「サーバーを発注すれば数週間、遅くとも 1〜2 ヶ月で納品される」のが当たり前でした。しかし、2026 年現在、複数の要因を背景にサーバー調達のリードタイムが大幅に伸びています。

  • AI 需要の拡大による影響:AI サーバー向けの最新の GPU や高性能 CPU、高速メモリの需要が拡大しており、一般企業向けのサーバーへの部材供給が圧迫されています。
  • 不安定な世界情勢:国際的な物流ルートやサプライチェーンが不安定な状況が続いています。これにより、サーバーを構成する多様な部品の調達から完成品の輸送に至るまで、想定以上のリードタイムや突発的な遅延が発生しやすくなっています。

これらの要因は一朝一夕に解決するものではありません。リプレイス計画が変更になるという前提で、中期的なインフラ計画を再設計する必要があります。

2. EOL 環境の維持がもたらす 3 つのリスク

「サーバーが届かないのだから、既存の環境をそのまま使うしかない」という言い訳は、サイバー犯罪者や監査機関には通用しません。サポートが切れた OS やミドルウェアを使い続けることには、ビジネスの継続性に重大な影響を及ぼす恐れがあります。

リスク 1:サイバー攻撃の格好の標的になる

OS やソフトウェアの公式サポートが終了すると、新たな脆弱性が発見されても、修正パッチが提供されなくなります。攻撃者は、無防備になった EOL システムを狙い撃ちにして侵入します。結果として、ランサムウェアによるデータ暗号化、個人情報の漏洩、さらには自社システムが他社を攻撃する侵入口として悪用される危険性があります。

リスク 2:コンプライアンス違反と社会的信頼の低下

昨今のセキュリティ基準は非常に厳格です。例えば、クレジットカード業界の国際セキュリティ基準である PCI DSS や、金融庁のガイドライン、政府調達基準などでは、「サポートが提供されているソフトウェアを使用し、速やかにパッチを適用すること」が義務付けられています。これに違反した場合、取引停止や罰則の対象となり、企業の信頼低下を招き、ビジネスに深刻な影響を与えるリスクがあります。

リスク 3:部分改修や不具合対応による予期せぬコストの増加

「脆弱性が怖いから、とりあえず動いているシステムの一部だけバージョンアップしよう」と、検証を怠ったまま、場当たり的な改修を行うと、予期せぬ不具合が発生し、アプリケーションが正常に稼働しなくなるリスクが高まりますトラブルシュートや不具合の改修に追われ、結果として計画的な移行よりもはるかに多くのコストとエンジニアの稼働を消費することになります。

3. 戦略としての延命アプローチ

サーバーが届かない以上、現行システムを使い続けることは避けられません。しかし、その環境をそのまま使い続けるのではなく、適切な処置をしたうえで、リプレイス計画を修正する必要があります。つまり、稼働中のアプリケーションには手を加えず、OS やミドルウェアのセキュリティの防御力と外部への説明責任を維持することを目指しますこれを実現するためには、外部のプロフェッショナルサービスを上手に活用し、運用の効率化を図ることが重要になります。

4. セキュリティを確保し、延命を強力に支える 3 つのソリューション

自社の限られたエンジニアリングリソースだけで、日々報告される多くの脆弱性を分析し、サポート切れ OS やミドルウェアのパッチを自作することは極めて困難です。ここで頼りになるのが、サイバートラストが提供する 3 つの強力なソリューションです。

解決策 ①:CentOS 延長サポート

すでにコミュニティサポートが終了している OS(CentOS 7 など)の上で動作するシステムがある場合、現行システムの寿命を安全に引き延ばす切り札が CentOS 延長サポートです。

  • セキュリティを確保: 公式サポート終了後に発見された深刻な脆弱性に対するセキュリティアップデートを提供します。また、日本語でのテクニカルサポートも受けられます。
  • 現システム稼働期間の延命: 新しい OS への移行やシステム全体の刷新を行うことなく、既存の CentOS 環境のまま安全に運用を継続できます。これにより、移行コストや検証の工数を削減できます。

解決策 ②:Linux 脆弱性メンテナンス・サービス

ノウハウの喪失やシステムのブラックボックス化により、アップデートできずに塩漬け運用されている Linux サーバー(RHEL 5〜8 系など)がある場合、その課題をクリアし、安全な長期運用を可能にするのが Linux 脆弱性メンテナンス・サービスです。

  • 潜在リスクの可視化:ヒアリングとログデータの解析を通じて、重要サーバーに潜在する残存脆弱性のリスクや対策を洗い出します。関連する脆弱性の発生時にはメールでのアラート通知も行います。
  • 安全な長期利用をサポート:緊急の脆弱性発生時にはワークアラウンド(応急措置)や緊急アップデートを提示します。当該脆弱性、ワークアラウンドや緊急アップデートについての QA 対応も行います。

解決策 ③:TuxCare ELS

すでにサポートが終了している言語・フレームワーク(PHP、Python、OpenJDK、AngularJS など)の上で動作する業務システムがある場合、その救世主となるのが TuxCare ELS です。

  • アプリケーションのコード改修なし:言語の仕様変更や新機能の追加は行わず、セキュリティ脆弱性の修正パッチのみをバックポート(移植)して提供します。そのため、アプリケーションを書き直す必要がなく、互換性トラブルを回避できます。
  • 幅広い OSS ライフサイクルの引き延ばし:PHP、Tomcat、Spring Framework、.NET 6 など、開発環境の EOL 問題も解決できます。

5. よくある疑問:仮想化やクラウド移行では解決できないの?

ここで、インフラ担当者からよく寄せられる疑問についてお答えします。

Q1. 「VMware などの仮想環境で動いているから、ハードウェア不足は関係ないのでは?」

A. 物理的なホストサーバーの寿命や容量不足がボトルネックになります。仮想マシン自体は容易に増やせますが、それを支える物理的なハイパーバイザー(ホストサーバー)の老朽化やリソース不足は、物理ハードウェアを追加調達しない限り解決しません。また、ハイパーバイザー自体の EOL やライセンス体系の変更リスクも考慮する必要があります。

Q2. 「この機会にすべてクラウド(AWS や Azure など)に移行すれば、ハードウェア調達は不要では?」

A. クラウド移行は選択肢の一つですが、移行期間中の安全確保という問題は残ります。オンプレミスからクラウドへの移行には、ネットワークの再設計、データの移行、動作検証など、膨大な時間と労力がかかります。移行が完了するまでの 1〜2 年間を古い OS のまま放置することになるため、その間のセキュリティを担保するために、やはり延長サポートなどを活用した延命措置が必要です。

6. まとめ

サーバー調達の長期化という物理的な制約は、一企業の努力だけで変えられるものではありません。しかし、新環境が準備できるまで、今ある環境をいかに安全に守り抜くかは、IT 部門の意思決定と戦略次第でコントロール可能です。

CentOS 延長サポートLinux 脆弱性メンテナンス・サポートTuxCare ELS といったプロフェッショナルサービスを活用し、ビジネスを止めず安全にサーバー調達難を乗り越えましょう。

この記事の著者
 著者イラスト
野口 諒子

クラウドサービス分野で IaaS、SaaS の企画・開発、PdM、PMM 等を経験。Neutrix Cloud Japan で IaaS、クラウドストレージのマーケティング・マネジャーを経て、現在はサイバートラストで OSS 事業の戦略担当として活動。情報処理安全確保支援士。