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高可用性ソリューション

2021 年 03 月 08 日

エッジコンピューティング領域で、MIRACLE CLUSTERPRO X への引き合いが急増する背景は?

製造現場における IoT の導入や AI の活用などエッジコンピューティングのニーズの高まりとともに、長期安定供給を提供するサーバーやクライアントが販売されてきた産業用コンピューター市場に大きな変化が現れているという。その変化にあわせて、Linux ディストリビューションや高可用性システムを手掛けるサイバートラスト株式会社は、MIRACLE CLUSTERPRO X を軸に、エッジコンピューティング、産業用 PC 分野での事業展開を本格化させている。

そこで、 サイバートラスト株式会社 事業推進室 室長 鈴木 庸陛氏に、今後の産業用システム市場の動向と、MIRACLE CLUSTERPRO X への引き合い増加の背景、同社の取り組みについて話を聞いた。

― まず、これまでの産業用システム市場の概要を説明してください。

工場の製造現場や制御システムにおいて、利用されてきたコンピューターは、国産ベンダーを中心に長期供給を約束するサーバー /PC が主流となっていました。これらのコンピューターは、産業用 PC と言われる場合もありますが、一般向け PC とは異なる特長として「長期供給」「信頼性」「耐環境性」があります。5 年以上の長期にわたる同型モデルの販売、10 年以上のサポートが必要といった長期にわたるコミットメントを従うサーバーや PC が利用されてきました。信頼性と耐環境性を向上するために、サポート体制の提供やハードウェアに対する粉塵対策や冗長化なども実施されてきました。近年までは、市場に大きな変化はありませんでした。しかし、製造現場における IoT の導入や AI の活用などエッジコンピューティングの活用が進むとともに、大きな変化が現れてきました。

― どのような変化なのでしょうか?

従来、ビジネス用 IT システムでは当たり前に利用された集約化、可用性、冗長化を実現するテクノロジーを活用したシステムが求められるようになってきたのです。

例えば、IoT を活用した事例でよく紹介される、製造ラインに配置されたセンサーやデバイスから情報を読み取り、エッジサーバーで集約したデータを前処理としてクレンジングし、パブリッククラウドにアップロードし、収集した情報をビッグデータとして解析・活用することで、新しい知見を見いだすといったシステムを考えてみます。

このようなシステムでは、エッジサーバーに求められる機能として、集約化、可用性、冗長化が担保されてなければなりません。さらにクラウドへの接続においては、センサーやデバイスとの接続性やトラフィック遅延の問題、セキュリティ面を考慮する必要があります。これらの要求は、従来から企業向け IT システムでは一般的なものでした。そこで企業向け IT システムで利用されているテクノロジーを活用していこうという気運が高まっています。その 1 つとして、企業向け IT システムで長年の実績がある高可用性ソフトウェアや汎用 OS の利用が増えています。さらに、特別なハードウェアを利用せずに、汎用ハードウェアを利用することで、環境や用途に応じてより多くの選択肢があることも求められています。

しかし、そのようなエッジサーバーを運用する製造現場で働く技術者は、情報システム部のような IT スキルやナレッジはありません。そのため、現場スタッフでも特別な IT スキルを必要とせずに、より使いやすく、故障した場合でも簡単な操作や作業でシステムを復旧できることが重要となってきます。

― そのような背景から、MIRACLE CLUSTERPRO X への引き合いが急増しているということでしょうか?

はい、その通りです。MIRACLE CLUSTERPRO X は、ご紹介した市場の変化にマッチしたソリューションとなっています。MIRACLE CLUSTERPRO X は、エンタープライズ向け Linux として実績のある「MIRACLE LINUX」に NEC 社製「CLUSTERPRO X」を同梱した、99.99% の高可用性を実現する HA クラスターソリューション・パッケージです。

OS である MIRACLE LINUX は、産業現場で求められる信頼性、安全性、可用性、セキュリティ機能を兼ね備え、国内のエンジニアによる的確で高品質なサポートを 10 年にわたって提供しています。これまでも、特定業務用機器への組込みに必須となる柔軟なカスタマイズまで、幅広い採用実績があります。

市場調査会社であるミック経済研究所が実施した「産業用 PC における Linux 市場の実態」レポートによると、2019 年度に日本国内で出荷されたプリインストール版 Linux のディストリビューション・バーション別出荷台数としてサイバートラストが提供する Linux OS「MIRACLE LINUX」が全体の 57% のシェアを達成しています。

CLUSTERPRO X は、システムの障害を監視し、障害発生時には健全なサーバーに業務を引き継ぎ、高可用性を実現する HA クラスタリングソフトウェアで、19 年連続国内シェア No.1 の実績があります。

MIRACLE CLUSTERPRO X を活用することで、きめ細やかな監視でハードウェア、OS、アプリケーション障害を検出し、自動で復旧動作を行います。そのため、特別な IT スキルがなくても、高い稼働率でシステム運用が可能です。

また、MIRACLE CLUSTERPRO X は、NEC や HPE、デルといった大手ベンダーが提供する一般的な汎用サーバーで稼働可能ですから、稼働システムとして、より多くの選択肢から、最適なサーバーを選択することが可能です。

― その他に、MIRACLE CLUSTERPRO X の強みをご紹介ください。

先ほど紹介した集約化という観点では、MIRACLE LINUX が持つ標準の仮想化機能である KVM を利用することで、可用性を高めつつ、多くのシステムを集約することが可能であることも大きな強みの 1 つです。複数のエッジサーバーを設置することなく、複数の Linux OS を稼働させることで、IoT データの処理、分析などの実行できます。

やはり、当社の高い技術力も大きな強みです。当社の特長は、販売だけでなく、システム構築やサポート、そして、新しいソリューション作りまで、数多くの実績・経験があることです。手前味噌ですが、業界随一の技術力があると自負しています。

最終的な問題解決を図るときには、OS とクラスターの問題の切り分けを行なっていただく必要はありません。弊社サポートが OS の質問から、CLUSTERPRO の問題にいたるまでまとめて対応しています。OS に関しましては、お客様は国内唯一の企業向け Linux ディストリビューターから特定業務用途向け機器の開発段階から日本語での技術サポートを受けられます。また、CLUSTERPRO については開発元の NEC 様のご支援もいただいております。

― 今後の取り組みでの重要領域はどうでしょうか?

国内では、IT 領域と産業 IT 領域の両分野で強みを持つソリューション・パートナー様が多数活躍されています。そうしたパートナー企業との協業展開を強化していきます。

日本企業の強みは、やはりその現場力です。その現場の皆様をきめ細かく支援し、現場のカイゼン、課題解決力を最大化してするためには、ソリューション・パートナー様を欠かすことができません。当社はソリューション・パートナー様と協力して、お客様の事業領域に即したソリューション開発を提供しています。今後もパートナー様と一体になって、お客様の課題解決に貢献するソリューションを提供していきたいと考えます。

― 最後に、お客様、パートナー様にメッセージをお聞かせください

サイバートラストは、ビジネスでのミッションクリティカル領域で大きな実績を残してきました。また、産業用 PC での実績も積んできました。これらのノウハウと経験を元に、エッジコンピューティング、産業用 PC 市場の変化やニーズを捉え、NEC 様と協力して、現場の皆様により使いやすく、より安心して IT システムを利用いただくために、MIRACLE CLUSTERPRO X を提供してまいります。工場などでの集約・冗長化や、エッジサーバーの可用性向上など、ご検討中・課題をお持ちの方は、ぜひお気軽に当社までご相談ください。

出典:IDC Japan、2020 年 7 月 「国内コンピューティング/ネットワークインフラストラクチャソフトウェア市場シェア、2019 年:Windows EOS 需要が成長に寄与」 (JPJ45146920)

聞き手:MKTインターナショナル株式会社 赤井誠


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