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【第 3 回】 電子署名と本人確認を利用した契約の DX ~不動産契約における非対面取引で必要になるオンラインで完結する本人確認方法~

はじめに

デジタル改革関連法による宅地建物取引業法の法改正が 2022 年 5 月に施行され、不動産契約の電子化が解禁されました。

前回の記事 では電子化が解禁された書面とその取扱いについて触れましたが、今回は非対面取引における本人確認とその方法について解説していきたいと思います。

非対面取引における本人確認の必要性

本記事は、国土交通省、デジタル庁、および金融庁提供の次の資料を参考にしています。

犯罪による収益の移転防止に関する法律(以下「犯収法」とする。)により、特定事業者が特定取引をする場合は本人確認をする義務があります。
宅地建物取引業者も特定事業者として位置づけられており、「宅地・建物の売買契約の締結又はその代理若しくは媒介」が特定取引にあたります。
そのため、売買取引を行う場合は対面・非対面に限らず本人確認をする必要があります。
また、取引にかかわるトラブルの未然防止の観点から行われる重要事項説明ですが、説明の相手方が契約当事者本人であることは前提であるため、義務化はされていないものの賃貸契約であっても本人確認することは推奨されています。

犯収法に則ったオンラインにおける本人確認方法

犯収法の中では、対面・非対面どちらも本人確認の方法が定められており、顧客が個人(犯収法では「自然人」と呼ばれます)、または法人かで方法は異なります。
ここでは、個人の顧客との非対面取引で利用可能な本人確認の方法について説明していきます。

非対面、いわゆるオンラインでの本人確認の方法として、大きく分けて二つの種類があります。
一つが氏名、住居および生年月日が確認できる本人確認書類を用いた方法、もう一つが電子証明書を用いた方法です。

本人確認書類を用いた方法は以下の 4 種類です。

  • 「写真付き本人確認書類の画像」+「本人画像」 を用いた方法(犯収法施行規則 6 条第 1 項 1 号ホ)

 犯収法施行規則 6 条第 1 項 1 号ホ による本人確認

(図 1)犯収法施行規則 6 条第 1 項 1 号ホ による本人確認

  • 「写真付き本人確認書類の IC チップ情報」+「本人画像」 を用いた方法(該当条項 1 号ヘ)

 犯収法施行規則 6 条第 1 項 1 号ヘ による本人確認

(図 2)犯収法施行規則 6 条第 1 項 1 号ヘ による本人確認

  • 「本人確認書類の画像または IC チップ情報」+「銀行等への顧客情報の照会」 を用いた方法(該当条項 1 号ト (1))

 犯収法施行規則 6 条第 1 項 1 号ト (1) による本人確認

(図 3)犯収法施行規則 6 条第 1 項 1 号ト (1) による本人確認

  • 「本人確認書類の画像または IC チップ情報」+「顧客名義口座への振込み」 を用いた方法(該当条項 1 号ト (2))

 犯収法施行規則 6 条第 1 項 1 号ト (2) による本人確認

(図 4)犯収法施行規則 6 条第 1 項 1 号ト (2) による本人確認

電子証明書を用いた方法は以下の 2 種類があります。

  • マイナンバーカードに内蔵された署名用電子証明書 ( 公的個人認証 ) を用いた方法(該当条項 1 号ワ)

 犯収法施行規則 6 条第 1 項 1 号ワ による本人確認

(図 5)犯収法施行規則 6 条第 1 項 1 号ワ による本人確認

  • 民間事業者発行の電子証明書を用いた方法 (該当条項 1 号ヲ・カ)

 犯収法施行規則 6 条第 1 項 1 号ヲ・カ による本人確認

(図 6)犯収法施行規則 6 条第 1 項 1 号ヲ・カ による本人確認

※ 図 1~6 は金融庁の参考資料から図を引用
(出典)金融庁 「犯罪収益移転防止法におけるオンラインで完結可能な本人確認方法の概要」

上述の方法を実現するソフトウェアは、取引を行う特定事業者自身によるものに限定されておらず、その委託先が開発・提供するソフトウェアでも利用可能です。

iTrust 本人確認サービス による犯収法に従った本人確認の方法

犯収法での本人確認方法のうち、本人確認書類の画像を用いる場合は現在の技術では目視確認が前提となっています。
逆に IC チップ情報を用いる場合、その情報の署名検証によって目視確認が不要になり、業務負担が軽減されます。
署名と署名検証の詳細については、をご参照ください。
サイバートラストで提供している「iTrust 本人確認サービス」では、前述の本人確認方法のうち、IC チップ情報を用いる方法(該当条項 1 号ヘ、1 号ト (1)、1 号ト (2))、主務大臣認定を取得した事業者であるため公的個人認証を用いる方法(該当条項 1 号ワ)の利用を可能にします。

 犯収法に基づく本人確認サービスの利用範囲

(図 7)犯収法に基づく本人確認サービスの利用範囲

公的個人認証を用いた本人確認ではもちろん目視確認は不要となり、本人確認のデジタル完結が可能です。

今後の流れ

社会的な DX への大きな流れとともに、行政のデジタル化にも動きがあります。
2023 年の 5 月にはマイナンバーカードの機能 ( 公的個人認証 ) のスマートフォン内蔵が予定されており、運転免許証のマイナンバーカードとの IC チップ一体化も来年以降に計画されています。
行政のデジタル化により、なりすまし防止などの防犯の観点に加えて、取引上の本人確認のスピードもさらに加速していくことが予想されます。

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