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急成長するエッジ AI 環境に必要なセキュリティ機能をパッケージ化し「EM+PLS」を提供開始

〜 エッジ AI に求められるサイバーセキュリティ国際規格に対応するために必要な認証機能、OTA 機能、長期間の脆弱性対応やアプリケーション保護機能を提供〜

2021 年 11 月 4 日

サイバートラスト株式会社

サイバートラスト株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:眞柄 泰利 以下、サイバートラスト)は、IoT 機器の長期使用を実現する「EM+PLS(イーエムプラス)」を新たにパッケージ化し、セキュアなエッジ AI※1 環境の実現に最適なプラットフォームとして提供開始することを発表します。本パッケージでは、超長期サポート組込み OS「EMLinux」にサイバーセキュリティ国際規格に対応するために必要な認証機能「Secure IoT Platform®※2 」とリモートアップデート(OTA)機能、セーフリスト ※3 防御策などを組み合わせて提供します。IoT や組込み Linux システムの開発・運用で必要とされる各プロセスにセキュリティ対策を組込んでおり、セキュアなエッジ AI 環境において対応が求められるサイバーセキュリティ国際規格への対応を推進することにより、DevSecOps ※4 の実現を支援します。
本パッケージ化に合わせて、エッジコンピューティング機器に向けた AI 推論処理 IC を開発・提供する米国のスタートアップ企業である quadric.io, Inc.(以下、クアドリック)が提供開始したエッジ AI 向けの M.2 PCIe カード「quadric dev kit」および統合開発環境「quadric SDK」の販売を開始します。

<背景>

IoT 機器の増加と同時に、接続するセンサー数や生成されるデータ量が飛躍的に増加します。これらの膨大なデータをクラウドに移送して AI 処理や運用を行うには以下のような課題があります。

  • サイバーセキュリティ国際規格準拠(IEC62443 など)
  • データ処理に対する遅延と消費電力の増大
  • 通信帯域制約と通信コスト

さらに、欧米アジア諸国での個人情報の越境移転に対する保護規制から IoT データのクラウドへの送信にも規制の動きが懸念されています。

これらの課題の解消に向けて、AI をはじめとするデータ処理をクラウドのみならずエッジデバイスと分散して処理するエッジコンピューティング環境の活用が拡大しています。このエッジ AI コンピューティングの実現には、データ処理のためのエッジ向け推論エンジンの開発や最適化と、エッジ環境開発の導入・保守・更新が求められます。推論エンジンの開発や最適化においては、パフォーマンスと精度を向上するため、データサイエンスと実装技術にまたがるマルチスキルエンジニアの確保が必要となり、エッジ環境開発の導入・保守・更新においては、法制度や国際規格によってデバイス認証やモニタリングが義務化される中、実使用状態での推論精度を監視モニタリングし継続的に推論エンジンを更新することが必要となります。

サイバートラストは、以下の IoT サービスや技術要素を組み合わせてセキュアエッジ AI コンピューティング環境に最適化したプラットフォームとして「EM+PLS」をパッケージ化し提供することで「セキュアエッジ AI コンピューティング」の実現を支援します。本パッケージ化においては、開発・運用の各プロセスにセキュリティ対策を組込み、お客様の開発・運用負担を低減しつつ DevSecOps の実現を可能にします。

DevSecOpsの図

セキュアエッジ AI コンピューティング向け「EM+PLS」構成要素

  • 超長期サポート組込み Linux「EMLinux」
  • 「EMLinux」で意図しないプログラムの動作を防ぐ「セーフリスト防御策」
  • 組込み Linux 超高速起動ソリューション「LINEOWarp!!」
  • IoT 機器向けトラストサービス「Secure IoT Platform®」および OTA
  • 機器のなりすましを防ぐ HW 防御チップを「信頼の基点」としたレファレンス環境

セキュアエッジAIコンピューティング向け「EM+PLS」構成要素

サイバートラストは、2020 年にクアドリックと提携し、AI 次世代のエッジスーパーコンピューティング環境の提供に向けて協業を進めてきました。このたび、データ処理や、推論汎用性、消費電力など、既存のアーキテクチャが持つ課題を解決し、消費電力制限のあるエッジ AI に最適化してクアドリックが開発した M.2 PCIe カード「quadric dev kit」の販売を開始します。本製品の提供開始に伴い、統合開発環境「quadric SDK」の 90 日評価ライセンスをサイバートラストからも 2021 年 12 月 24 日まで無償提供します。

「EM+PLS」は、クアドリック社の AI 技術のほか、主要各社の評価ボードに対応しており、このたびの各機能は「quadric dev kit」によりすぐに試用することができます。

「quadric SDK」の 90 日評価ライセンス無償提供について

お申込み期間:2021 年 11 月 4 日より 2021 年 12 月 24 日
お申込み方法:以下よりご登録ください。担当者よりご案内します。
お申し込みはこちら

サイバートラスト 代表取締役社長の眞柄 泰利は、以下のコメントをしています。

クアドリック社と当社は 2020 年 1 月に AI 次世代のエッジスーパーコンピューティング環境の提供に向けて提携し、先進 AI 分野に向けた事業開発を推進してまいりました。この取り組みの成果として EMLinux と Secure IoT Platform® は国際規格に基づくセキュリティ実装の有効性評価において適合を受け ※5、クアドリック社のソリューションと連携によってセキュアエッジ AI コンピューティング環境の実現に最適なプラットフォームとして EM+PLS を提供開始できることを大変うれしく思います。今後もクアドリック社と連携し、国際規格に基づく安心安全なものづくりと、サービス品質の維持向上に貢献してまいります。

クアドリックの CEO である Veerbhan Kheterpal 氏は、以下のコメントをしています。

quadric.io
CEO Veerbhan Kheterpal 様

quadric は、このたびサイバートラストがセキュアエッジ AI 環境の実現に最適なプラットフォームとして EM+PLS を提供開始することを大変うれしく思います。サイバートラストと quadric は、重要パートナーとして組込みシステム向けの次世代の AI エッジスーパーコンピューティングの提供に向けて 2020 年から協業してきました。今回サイバートラストが販売開始する「quadric dev kit」は、SDK からお使いいただける q16 プロセッサーを搭載した M.2 PCIe カードです。quadric のプロセッサーは、計算量の多いアルゴリズムを高性能かつ低電力で処理できます。サイバートラストの EM+PLS と当社の「quadric dev kit」および「quadric SDK」の連携が、お客様のセキュアエッジ AI コンピューティングを実現する理想的なソリューションとなることを確信しています。

また、提供開始にあたって、東京エレクトロン デバイス株式会社様よりコメントをいただいています。

東京エレクトロン デバイス株式会社
執行役員 EC BU クラウド IoT カンパニープレジデント 初見 泰男様

東京エレクトロン デバイス株式会社はサイバートラスト様との連携を大変喜ばしく感じております。お客様の競争力向上においてエッジ AI の活用およびセキュリティ強化については喫緊の課題であり、サイバートラスト株式会社様とのパートナーとしての知見を生かしセキュアなエッジ AI を活用したデジタルトランスフォーメーションの支援を加速し、より多くのお客様に対して新しい価値が提供できるものと確信しております。

関連 Web サイト
※1
エッジコンピューティングとは:従来のクラウドコンピューティングを、ネットワークのエッジにまで拡張し、物理的にエンドユーザーの近くに分散配置するという概念です。ネットワークの「エッジ」とは、通信ネットワークの末端にあたる、外部のネットワークとの境界や、端末などが接続された領域を指し、データとその処理をクラウドに集約するのではなく、データが生成される場所に近い部分にアプリケーションを配置することで、より多くのデータを活用し、価値を引き出すことを目的としています。
※2
Secure IoT Platform® とは:生産段階からチップに埋め込んだ固有鍵を起点に証明書を用いて「いつ」「どこで」「何を使って」「誰が」といった多角的な認証によるデータの真正性や暗号化による機密性の確保、電子署名による改ざん防止など、デバイスのライフサイクル管理を行うサービスです。
機器のライフサイクルに応じて、電子証明書の発行から IC チップへの組込み、認証情報の管理、電子証明書の失効と機器の廃棄までを確実に管理するためのプラットフォームを提供し、低コストで最高レベルの情報セキュリティ要件を満たす IoT サービスを短期間に構築できるようお客様を支援します。
※3
セーフリストとは:使用してよいと判断した安全なアプリケーションやプログラムを定義したリストで、安全なものだけを許可し、それ以外はすべてブロックするために利用するリスト。リストにないアプリケーションやプログラムは起動しないよう制限し、リストにあるアプリケーションやプログラムのみ、実行を許可します。
※4
DevSecOps とは:システム開発・運用の全ての工程にセキュリティ対策を組み込むことで、早い段階で問題を見つけて修正可能にし、セキュリティを確保しつつ開発スピードを損なわない開発・運用のスタイル。
※5
国際規格に基づくセキュリティ実装の有効性評価について:一般社団法人セキュア IoT プラットフォーム協議会が策定した「SIOTP 協議会セキュリティチェックシート」に基づいて同協議会が定める技術的な基準および運用基準の適合を受けています。
サイバートラスト株式会社について

サイバートラストは、日本初の商用電子認証局として 20 年以上にわたり提供している認証・セキュリティサービスと、ミラクル・リナックスのカーネル技術やオープンソースソフトウェア(OSS)の知見を応用したオンプレミス、クラウド、組込み領域向けの Linux/OSS サービスを展開しています。また、これらの技術や実績を組み合わせ、IoT をはじめとする先端分野に向けて、「ヒト・モノ・コト」の正しさを証明し、お客様のサービスの信頼性を支えるサービスを推進しています。
「信頼とともに」。サイバートラストは、IT インフラに関わる専門性・中立性の高い技術で、安心・安全な社会を実現します。

当プレスリリースに関するお問い合わせ先

サイバートラスト株式会社
広報担当:椎名
メール: press@cybertrust.co.jp

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