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仮想化ソリューション

2026 年 09 月 11 日

第 3 回 : Prossione Virtualization®の仮想環境で高度な総合監視を実現する MIRACLE ZBX との連携

1. はじめに

前回の記事(第 2 回)では、株式会社 NTT データが提供する仮想化基盤 Prossione Virtualization 2.0 における Web UI(PVM)からの初期設定、仮想マシン(VM)の作成手順、およびライブマイグレーションや HA 機能といった便利機能の検証結果をご紹介しました。
第 3 弾となる今回は、統合システム監視ソフトウェア「MIRACLE ZBX」を活用した Prossione Virtualization 環境の監視方法について解説します。

※ 「Prossione Virtualization」は株式会社 NTT データの登録商標です。

2. Prossione Virtualization を MIRACLE ZBX で監視する理由

Prossione Virtualization の監視機能

Prossione Virtualization の管理画面(Prossione Virtualization Manager:PVM)では、仮想化基盤全体および各仮想マシン(VM)の CPU やメモリの使用量・割当量といった基本的なリソース情報を、直感的かつリアルタイムに確認できます。
より高度な運用管理や、エンタープライズレベルでの長期的なシステム監視を実現する場合には、監視要件にあわせて柔軟なカスタマイズができる MIRACLE ZBX との連携が効果的です。

MIRACLE ZBX 監視を導入する 3 つのメリット

標準機能に加えて MIRACLE ZBX を組み合わせることで、よりきめ細やかな監視環境を構築できます。主な導入メリットは以下の 3 点です。

  1. 統合監視の高度化:管理ホストを含めた全体のリソース監視や、OS 内部まで踏み込んだ ZBX エージェント監視を組み合わせ、システム全体を網羅的に可視化できます。
  2. 長期データの蓄積と傾向分析:監視データをデータベースに長期保存することで、過去のリソース使用推移を分析し、将来のキャパシティプランニングや最適化に活用できます。
  3. 柔軟な通知と閾値設定:CPU 高負荷や VM の状態変化、ログ監視などに対して詳細な閾値を設定できます。重要な変化を即座に管理者に通知することで、運用の自動化と迅速な障害対応を実現します。

3. 監視アーキテクチャと提供パッケージの構成

監視アーキテクチャ

MIRACLE ZBX による Prossione Virtualization 監視の全体像は以下の通りです。

MIRACLE ZBX ホストに監視対象の追加や削除を行うスクリプトを配置します。このスクリプトで管理ホストの監視対象のチェックを定期的に行います。PVM API を利用して、先ほどのスクリプトで取得した情報を MIRACLE ZBX へ連携します。追加された監視対象(管理ホスト、仮想化ホスト、仮想マシン)に対して PVM API を介した監視を行います。必要に応じて MIRACLE ZBX Agent をインストールすることで、エージェント監視も可能となっています。

提供ファイルの構成

本製品は、主に以下のテンプレートファイルと自動化スクリプト群で構成されています。

専用テンプレート:
  • mlzbx-vmonitor-pvm_templates.yaml
    各専用テンプレートが含まれる定義ファイル
スクリプト:
  • mlzbx-vmonitor-pvm.sh
    PVM API および ZBX API を介して監視対象の追加・削除などを行うスクリプト
SystemD ユニットファイル(2 種):
  • mlzbx-vmonitor-pvm.service
  • mlzbx-vmonitor-pvm.timer
    スクリプトを定期実行するための systemd ユニットファイル

セットアップの流れ

  1. テンプレートのインポート:MIRACLE ZBX の管理画面(WebUI)から専用テンプレートをインポートします。
  2. マクロの設定:インポート後、以下のマクロに PVM へのアクセス情報を設定します。
    • {$API_URL}:PVM API へアクセスするための URL (規定値 http://localhost:5000/v1)
    • {$API_USER}:PVM API へアクセスするためのユーザー
    • {$API_PASS}:PVM API へアクセスするためのパスワード
※ これらの設定を行うことで、スクリプトが自動検出した仮想化ホストや仮想マシンに対して自動的に適切なテンプレートがリンクされます(手動でリンクする必要はありません)。
  1. スクリプトの配置:MIRACLE ZBX サーバー上にスクリプトおよび SystemD ユニットファイルを配置し、コマンドにて実行・有効化します。
$ sudo cp mlzbx-vmonitor-pvm.sh /usr/local/sbin/
$ sudo chmod +x /usr/local/sbin/mlzbx-vmonitor-pvm.sh

$ sudo cp mlzbx-vmonitor-pvm.service /etc/systemd/system/
$ sudo cp mlzbx-vmonitor-pvm.timer /etc/systemd/system/

$ sudo systemctl daemon-reload
$ sudo systemctl enable --now mlzbx-vmonitor-pvm.timer

4. 各テンプレートの種類と監視項目

インポートされる専用テンプレートは、監視対象の役割や OS に応じて細分化されています。

① 管理ホスト監視テンプレート

  • 監視方式:MIRACLE ZBX Agent 監視
  • 設定方法:スクリプトによりホスト自体は自動登録されますが、本テンプレートのみ手動で管理ホストにリンクさせる必要があります(※ MIRACLE ZBX Agent による監視が不要な場合はスキップします)。
  • 主な監視項目・トリガー:CPU 使用率、メモリ使用率、システムログによるエラー検知など。

② 仮想化ホスト監視テンプレート

  • 監視方式:PVM API によるエージェントレス監視 + MIRACLE ZBX Agent 監視(任意)
  • 設定方法:スクリプトにより自動リンクされます。
  • 主な監視項目・トリガー:CPU・メモリ使用率に加え、仮想化基盤特有のHA ステータス(HA スタンバイモード等)電源状態などを API 経由で監視・検知します。

③ 仮想マシン(VM)監視テンプレート (Linux / Windows / Other)

  • 監視方式:PVM API によるエージェントレス監視
  • テンプレート種類:ゲスト OS に合わせて 3 種類(Linux / Windows / Other)が用意されています
  • 設定方法:スクリプトにより自動で適切なテンプレートがリンクされます。
  • 主な監視項目・トリガー:仮想マシンの状態監視(稼働・停止・マイグレーション等)。ステータス変化(停止や移行)が発生した際にトリガーにより障害通知が行われます。

5. 動作検証(マイグレーションおよび VM 停止の検知)

続いて、実際に構築した環境において MIRACLE ZBX が正常に障害・状態変化を検知できるかの検証を実施しました。なお、本検証のデモは過去のセミナー動画内でご覧いただけます。

1:ライブマイグレーション時の検知

Prossione Virtualization の WebUI から、手動で仮想マシンを PVM-Host2 から PVM-Host1 へライブマイグレーションさせました。

  • 検証結果:マイグレーション実行後、約 1 分で MIRACLE ZBX 側のフロントエンドに状態変化のアラートが表示されました。
  • 確認ポイント:PVM 側で稼働ホストが PVM-Host2 から PVM-Host1 へ移動したことが確認できると同時に、MIRACLE ZBX 側でも移動が正しく検知・記録されました。

2:仮想マシン停止の検知

PVM WebUI から対象の仮想マシンの電源を「停止」し、シャットオフ状態を発生させました。

  • 検証結果:内部的に PVM API を介して定期ポーリングを行い、約 1 分程度で MIRACLE ZBX 上で「仮想マシン停止」の障害検知が行われました。
  • 運用上の Tips(監視間隔の設定): ポーリング間隔(監視間隔)を短くするほど検知速度は向上しますが、その分 MIRACLE ZBX サーバーおよび PVM 側の負荷が上昇します。実際の運用環境の要件に合わせて、適切な監視間隔を設定することをおすすめします。

6. まとめ

全 3 回にわたり、Prossione Virtualization の導入・構築、仮想マシンの作成・運用機能、そして MIRACLE ZBX を用いたシステム監視について解説してきました。
今回ご紹介したとおり、MIRACLE ZBX を組み合わせることで、Prossione Virtualization 環境の高度な統合監視をスムーズに導入・開始できます。サイバートラストは今後もパートナーとして技術面での知見を深め、Prossione Virtualization および最適なソリューションの提供を通じて、エンタープライズ Linux 環境の持続的な安定稼働に貢献いたします。

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