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Linux OS

2021 年 11 月 17 日

MIRACLE LINUX 8.4 でいろんなリポジトリを使ってみよう

はじめに

MIRACLE LINUX 8.4 では、PowerTools と HighAvailability という 2 つの追加リポジトリの提供を 11/24 から開始しました!これらのリポジトリについては多くのご要望を受けており、提供を待っていた方もいらっしゃるのではないでしょうか?今回はそんな PowerTools と HighAvailability に加えて、利用される方の多い EPEL や Remi といったリポジトリについてもご紹介します。


基本のリポジトリ

リポジトリの追加について紹介する前に、まずは MIRACLE LINUX 8.4 で提供している BaseOS と AppStream というリポジトリについて簡単にご紹介します。
BaseOS と AppStream というリポジトリは以下のように標準で有効化されており、特に準備をせず利用できる基本的なリポジトリとなっています。

# dnf repolist
repo id                                       repo の名前
8-latest-AppStream                            8-latest-AppStream
8-latest-BaseOS                               8-latest-BaseOS

BaseOS

Base OS は、主に OS を構成するための基本的なパッケージが含まれているリポジトリとなっています。例として以下のようなパッケージが提供されています。

  • kernel
  • systemd
  • glibc
  • openssl

AppStream

AppStream は、プログラミング言語、Web サーバー、データベースなどのソフトウェアが多く含まれているリポジトリとなっています。例として以下のようなパッケージが提供されています。

  • httpd
  • mariadb
  • php
  • python
  • vim

そして、この AppStream リポジトリの大きな特徴は、RHEL 8 系から新たに追加された Modularity という仕組みを備えていることです。この Modularity は、利用者がアプリケーションのバージョンをある程度選択できるもので、特定のバージョンを使用したい場合などにとても重宝するものとなっています。例として、 postgresql では以下のバージョンのいずれかを選択しパッケージをインストールすることが可能です。なお、それぞれのバージョンはストリームと呼ばれ、ストリームごとにサポート期限が異なっています。

パッケージ名対象ストリーム(バージョン)サポート期限
postgresql9.62021/11
102024/05
122029/05

サポート期限などは、以下のページから確認できます。

MIRACLE LINUX 8 Asianux Inside - AppStream のサポート期限


PowerTools / HighAvailability

今回 MIRACLE LINUX 8.4 で新たに提供を開始したリポジトリです。CentOS で提供されていたリポジトリで、ご要望が多かったことから提供を開始しました。

利用方法

PowerTools と HighAvailability は、miraclelinux-repos をアップデートしリポジトリを有効化することで利用できます。

※ 弊社の CentOS 8 移行ツールを使い移行した環境ではリポジトリの追加手順が異なります。詳細は以下のページを参照してください。

CentOS Linux 8 から移行スクリプトで移行したケースについて - MIRACLE LINUX 8.4 PowerTools及び High Availabilityリポジトリの公開について

まずは、miraclelinux-repos を 8.4-3.el8 以降にアップデートします。アップデート後は、/etc/yum.repos.d に以下のリポジトリファイルが追加されます。

  • miraclelinux-powertools.repo
  • miraclelinux-highavailability.repo
# dnf update miraclelinux-repos

PowerTools は、以下のようにリポジトリを有効化することで利用が可能です。

# dnf config-manager --set-enabled 8-latest-PowerTools
# dnf module enable javapackages-tools:201801

※ PowerTools で提供される istack-commons をインストールする場合、事前に手動で javapackages-tools モジュールを有効化が必要があります。istack-commons は「MIRACLE LINUX PowerTools」グループのインストールにも必要なパッケージなため、PowerTools リポジトリの有効化後に、javapackages-tools モジュールも併せて有効化することを推奨します。

HighAvailability は、以下のようにリポジトリを有効化することで利用が可能です。

# dnf config-manager --set-enabled 8-latest-HighAvailability

PowerTools

PowerTools は、主に開発やビルドに必要なパッケージが含まれているリポジトリとなっています。例として *****-devel のようなパッケージが多く提供されています。
提供されているパッケージは、以下の URL から確認することができます。

https://repo.dist.miraclelinux.net/miraclelinux/8.4-released/PowerTools/x86_64/os/Packages/

HighAvailability

HighAvailability は、可用性の向上に関連するパッケージが含まれているリポジトリとなっています。パッケージは主に、Linux-HA という Linux OS に高可用性を持たせるためのプロジェクトによって提供されいてるもので、例として以下のようなパッケージが提供されています。

  • pacemaker
  • corosync

提供されているパッケージは、以下の URL から確認することができます。

https://repo.dist.miraclelinux.net/miraclelinux/8.4-released/HighAvailability/x86_64/os/Packages/


EPEL

EPEL は、Fedora プロジェクトによって提供されているリポジトリで、正式名称は Extra Packages for Enterprise Linux です。このリポジトリの特徴は、ディストリビューションのリポジトリに含まれていないもので、よく使われるパッケージが多く含まれているという点です。例として以下のようなパッケージが提供されています。

  • chromium
  • ImageMagick

EPEL では RHEL 8 向けにリポジトリ追加用のパッケージが提供されているため、MIRACLE LINUX 8.4 の場合でもパッケージをインストールするのみで利用が可能です。

# dnf install https://dl.fedoraproject.org/pub/epel/epel-release-latest-8.noarch.rpm

インストール後は、/etc/yum.repos.d に以下のリポジトリファイルが追加され、利用可能な状態となります。

  • epel.repo
  • epel-modular.repo
  • epel-playground.repo
  • epel-testing-modular.repo
  • epel-testing.repo
# dnf repolist
repo id                            repo の名前
...
epel                               Extra Packages for Enterprise Linux 8 - x86_64
epel-modular                       Extra Packages for Enterprise Linux Modular 8 - x86_64

Remi

Remi は、remi 氏によって提供されているリポジトリで、正式名称は Remi's RPM repository です。このリポジトリの特徴は、最新のものを含めた複数のバージョンの PHP パッケージを提供しているという点です。例として以下のようなパッケージが提供されています。

  • php56
  • php70
  • php71
  • php72
  • php73
  • php74
  • php80
  • php81

Remi では RHEL 8 向けにリポジトリ追加用のパッケージが提供されているため、MIRACLE LINUX 8.4 の場合でもパッケージをインストールするのみで利用が可能です。

# dnf install http://rpms.remirepo.net/enterprise/remi-release-8.rpm

インストール後は、/etc/yum.repos.d に以下のリポジトリファイルが追加され、利用可能な状態となります。

  • remi.repo
  • remi-modular.repo
  • remi-safe.repo
# dnf repolist
repo id                          repo の名前
...
remi-modular                     Remi's Modular repository for Enterprise Linux 8 - x86_64
remi-safe                        Safe Remi's RPM repository for Enterprise Linux 8 - x86_64

おわりに

今回は、新たに提供を開始した PowerTools、HighAvailability に加えて、EPEL や Remi といったリポジトリの利用方法も紹介しました。RHEL 互換の OS では利用できる外部のリポジトリが多くあるので、用途に応じてぜひ利用してみてください!

※今回ご紹介した EPEL 及び Remi については、MIRACLE LINUX 8.4 で動作確認は行っていますが弊社のサポートでは対象外となっています。


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