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2026 年 09 月 09 日
【ヤマハ × デバイス ID】無線 LAN アクセスポイント「WLX323」でデバイス ID 証明書連携をして EAP-TLS 認証を構築してみた
ID・パスワード認証だけでは防げない無線 LAN のリスク
オフィスの無線 LAN 接続において、社内 Wi-Fi の「共有パスワード」や、ユーザー ID・パスワードによる認証だけで運用していませんか?
ID・パスワードは文字列を知っていればどの端末からでも入力できてしまうため、退職者の端末や私物端末(BYOD)といった「許可していない端末」の接続リスクがあります。
この課題を解決するのが、電子証明書(以下、証明書)を活用した「EAP-TLS(クライアント証明書認証)」です。
ID やパスワードではなく「端末の中に登録された証明書」で認証を行うため、仮にパスワードを知っていても証明書のない端末は接続できません。
これにより、管理者が許可・配付した端末のみを確実に接続させることができます。
そこで本記事では、この EAP-TLS 環境を構築する具体例として、ヤマハ株式会社の無線 LAN アクセスポイント「WLX323」と「サイバートラスト デバイス ID」を組み合わせ、強固な端末認証環境を構築する手順をご紹介します。
ヤマハの無線 LAN アクセスポイント「WLX323」とは?
ヤマハの無線 LAN アクセスポイント「WLX323」は、Wi-Fi 6E に対応した法人向けアクセスポイントです。
最新の無線技術による安定した通信環境と、中小企業から大規模環境まで利用できる本格的な認証・接続制御機能を備えています。
主な特長
通信性能・スペック
- Wi-Fi 6E 対応のトライバンド構成(2.4GHz / 5GHz / 6GHz)
- 最大 270 台の端末を収容可能で、端末が密集するオフィスなどの環境でも快適な通信を実現
セキュリティ・管理機能
- 同じネットワーク内の複数台をまとめて設定・運用できる「クラスター管理機能」
- WPA2/WPA3 Enterprise 認証(IEEE 802.1X、EAP-TLS)に対応
- RADIUS サーバーおよび認証局(CA)を本体に内蔵し、本機単体で EAP‑TLS 認証環境を構築可能
- 外部 RADIUS サーバーとの連携により、証明書を用いた認証(EAPTLS)を実現可能
未許可端末の接続を防止する「サイバートラスト デバイス ID」とは?
「サイバートラスト デバイス ID」は、会社が許可した端末を厳格に認証し、安全なネットワーク接続を実現するマルチデバイス、マルチネットワーク、マルチクラウド対応のデバイス証明書管理サービスです。
管理者が許可した端末に証明書をエクスポートできない状態で登録することでコピーや使い回しを制限し、退職者の端末や私的端末などの未許可接続を防ぎます。
「WLX323」 × 「デバイス ID」連携のメリット
「WLX323」は内蔵の RADIUS サーバーおよび認証局(CA)を利用して EAP-TLS 環境を構築可能ですが、さらに「デバイス ID」の証明書を組み合わせることで、シャドー IT を含む管理外端末からのセキュリティリスクを低減し、より安心できる EAP-TLS 環境を実現できます。
それでは、実際にどのような構成で運用するのか、全体のイメージと認証の流れを見ていきましょう。
構成イメージと認証フロー
今回の構成では、外部 RADIUS サーバーとの連携に対応した「WLX323」と認証サーバー(本構成では FreeRADIUS)を連携させ、端末認証に「サイバートラスト デバイス ID」で発行したデバイス ID 証明書を利用します。
接続時には、認証サーバーである FreeRADIUS が証明書の有効性や失効状態(OCSP※設定時)を確認し、その結果に応じて接続可否を判定します。そのため、利用者が証明書の存在を意識することなく、認証に成功した端末のみがネットワークへ接続できます。
- ※
- OCSP は証明書の有効性や失効状態を確認するための仕組みです。
具体的な認証の流れは以下の通りです。

図:WLX323、FreeRADIUS、デバイス ID を利用した EAP-TLS 認証の構成イメージ
導入のメリット
従来の共有 Wi-Fi パスワード運用では、社員の退職や情報漏えいのインシデント発生などに伴ってパスワードを変更する際、すべての端末で再設定作業が発生していました。
一方、本構成であれば、該当する端末の証明書を失効させるだけで個別に接続を拒否できます。他の端末へ影響を与えずに対応できるため、セキュリティ強化と管理者の運用負荷軽減を両立できます。
| 強固な端末認証 | 許可された端末のみ接続可能 |
|---|---|
| パスワードレス認証 | 共有パスワード運用が不要 |
| 失効確認による接続制御 | 認証時の失効確認(OCSP/CRL)により接続を制限 |
| 運用負荷削減 | 再設定作業を大幅削減 |
事前準備
設定作業に入る前に、以下の準備をあらかじめ完了させておきます。
- 「WLX323」の基本設定(IP アドレスの設定やネットワークへの接続)
- 端末へのデバイス ID 証明書の配付・インストール
- FreeRADIUS の設定(OCSP 連携設定、プライマリ RADIUS シークレットの設定など)
設定のポイント
SSID の設定
「WLX323」の仮想コントローラー(管理画面)へログイン後、[SSID 管理]メニューから認証設定を行います。
![[SSID 管理]メニューから認証設定を行う](/blog/img/deviceid-yamaha-02.jpg)
主要な設定項目と入力例
| 認証方式 | EAP-TLS 対応の認証方式を選択 |
|---|---|
| プライマリ RADIUS サーバー | 「外部の RADIUS サーバーを使用する」を選択し、FreeRADIUS の IP アドレスを指定 |
| プライマリ RADIUS シークレット | FreeRADIUS 側で設定した共有シークレット(パスワード)と同じ値を入力 |
「WLX323」側で必要となる主な設定は以上です。
あらかじめ FreeRADIUS 側の設定が完了していれば、EAP-TLS 認証を有効化できます。
接続確認
設定が完了したら、実際に端末から対象の SSID へ接続を試し、想定通りの接続制御が行われているか確認します。
許可された端末(正常接続)
デバイス ID 証明書を配付済みの端末であれば、利用者は共有 Wi-Fi パスワードを入力することなく接続できます。
未許可・拒否対象の端末(接続遮断)
デバイス ID 証明書を持たない端末はもちろん、期限切れ・失効済みの証明書を持つ端末や、信頼されていない認証局から発行された証明書を利用する端末からの接続は、認証時に拒否されます。
まとめ
「WLX323」「FreeRADIUS」「サイバートラスト デバイス ID」を組み合わせることで、環境構築後は利用者が証明書の存在を意識することなく WiFi を利用できる一方で、管理者は許可した端末のみにネットワーク接続を許可できるようになります。
また、共有 WiFi パスワードの管理や未許可端末への対策といった運用負荷を抑えながら、EAP-TLS による強固な端末認証を実現できます。
本構成の主なメリットは以下の 3 点です。
- 管理者の負担を大幅削減
許可された端末のみにネットワークアクセスを許可できるため、共有パスワードの管理や定期的な変更作業が不要になります。 - ユーザーはストレスなく利用可能
導入後は証明書の存在を意識する必要がなく、利用者はこれまで通りスムーズに WiFi へ接続できます。 - 厳格な「端末認証」を手軽に実現
MDM や IT 資産管理ツールと連携すれば、証明書の配付・インストールまで自動化が可能です。「管理対象端末のみが接続できる」安全な環境を手間なく構築できます。
「デバイス ID」による証明書管理と「WLX323」の EAP-TLS 対応機能を組み合わせることで、" どの端末の接続を許可するか " を証明書ベースで制御できるようになります。
無線 LAN のセキュリティ強化と運用効率化を両立したい管理者におすすめの構成です。
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