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継続的顧客管理の負担をどう減らす? マイナンバーカードで実現する「現況確認」と「最新の基本4情報取得」について

はじめに

金融庁のガイドラインやマネーロンダリング対策に関する国際基準では、金融機関に対し、顧客情報を適切かつ最新の状態に保ちつつ、顧客ごとのリスクに応じて必要な確認や情報更新を継続的に行うこと(継続的顧客管理)を求めています。

一方、顧客情報の更新は多くの金融機関にとって負担の大きい業務であり、手続きの煩雑さ、コスト、情報反映の遅れが課題となっています。

こうした課題の解決につながる仕組みとして現在注目されているのが、マイナンバーカードを活用した「現況確認」と「最新の基本 4 情報取得」です。

マイナンバーカードを使った「現況確認」とは

現況確認とは、マイナンバーカードに搭載された電子証明書の有効性や失効情報を確認することによって「本人確認時に利用者が登録した情報から、変更が生じていないか」を検知するための機能です。

前提として、マイナンバーカードには次の 2 種類の電子証明書が搭載されています。

署名用電子証明書:

オンラインでの申請や契約時の電子署名などに利用される電子証明書です。氏名・住所・生年月日・性別の「基本 4 情報」が記録されており、厳格な本人確認にも活用されます。

利用者証明用電子証明書:

主にログイン認証などに利用される電子証明書です。基本 4 情報は含まれておらず、身近な利用用途として、マイナポータルアプリへのログインなどに利用されています。

 マイナンバーカードのイメージ図

この 2 つの電子証明書について、有効か失効しているか、また失効している場合はどのような理由によるものかを確認することで、登録済みの利用者情報に変更が生じていないかを確認します。

たとえば、次のように考えることができます。

例 1: 署名用電子証明書が失効し、利用者証明用電子証明書は有効な場合

氏名・住所・生年月日・性別といった基本 4 情報に変更があった可能性があります。典型的には、転居や改姓などが該当します。

転居等の理由により利用者の基本 4 情報が変更となると、署名用電子証明書が失効する仕組みとなっているためです。
例 2: 両方の電子証明書が失効している場合

住民票の消除※1等が生じている可能性があります。これには、例えば死亡等が考えられます。
ただし、現況確認で分かるのはあくまで変更の有無やその可能性です。変更後の最新情報そのものを取得するには、「最新の基本 4 情報取得」の仕組みを利用します。

※1
住民票の消除とは:市区町村が住民基本台帳上の記録を抹消することを指します。例として、死亡や、転出して一定期間経過した場合に行われます。

「最新の基本 4 情報取得」とは

マイナンバーカード関連システムの運用等を行っている機関:J-LIS(地方公共団体情報システム機構)が提供する仕組みを通じ、利用者の最新の基本 4 情報を取得する機能です。

本人確認時に用いた署名用電子証明書が失効または期限切れとなった場合に、利用者が再発行した署名用電子証明書に記録された基本 4 情報を取得します。

事前に利用者から同意を取得する必要はありますが、当該同意が有効な間(最長 10 年)は、事業者の任意のタイミングで(つまり、マイナンバーカード読み取りをはじめとした、利用者側の操作を必要とせず)情報を最新化することが可能となっています。

 マイナンバーカードを利用した情報更新の仕組み図

継続的顧客管理における「現況確認×最新の基本 4 情報取得」の活用メリット

従来の顧客管理においては、利用者からの申告や来店、書類送付によって氏名や住所等の確認・更新を行う必要があり、そのため確認漏れや反映遅延、事務負担の増加といった課題がありました。

現況確認と最新の基本 4 情報取得を活用することで次のようなメリットが期待できます。

事務コストの削減

基本 4 情報の更新が必要となった利用者の検知、および当該利用者に対する最新の基本 4 情報取得を自動化することで、定期的な郵送や個別照会にかかる負担の軽減につながります。

規制対応への実効性向上

金融庁ガイドラインや国際基準などで求められる、顧客情報を最新の状態に保ちながら行う継続的な管理を、より効率的かつ実務的に進めやすくなります。

利用者の負担軽減

利用者がわざわざ窓口や郵送で手続きする必要がなくなり、手続きの手間を抑えられるため、利便性の向上につながります。

情報の正確性・信頼性の向上

取得可能な基本 4 情報は住民票に基づくため、利用者の自己申告よりも正確で信頼性の高い情報として活用できます。

機能活用にあたって押さえておきたいポイント

上記の仕組みを活用するためには、制度面・運用面の両方を踏まえて導入を進めることが重要です。

まず最新の基本 4 情報取得にあたっては、前提として利用者本人の同意が必要となり、またこの同意取得には署名用電子証明書を利用するため、利用者によるマイナンバーカードの読取りが制度上必須となっています。

そのため実務上は、初回の本人確認を行うタイミングにあわせて同意を取得するのが効率的です。口座開設や契約申込みなど、もともとマイナンバーカードを用いた本人確認を行う場面であわせて同意も取得しておくことで、後日の情報更新をよりスムーズに行いやすくなります。

最新の基本 4 情報取得に関する具体的な条件等については過去に当社ブログ記事「最新の基本 4 情報取得で実現できることとは」でも解説しておりますので、あわせてご参考にしてください。

また、取得した情報を社内でどのように反映し、顧客管理や各種届出情報の更新フローにどう組み込むかも、導入効果を左右する重要なポイントです。単に情報を取得できるようにするだけでなく、確認対象の抽出、情報更新、記録管理まで含めて運用を設計することで、はじめて業務効率化とリスク管理強化の両立が実現しやすくなります。

制度や仕組みの理解だけでなく、本人確認時の同意取得フロー、社内システムとの連携、更新後の業務処理までを一体で設計することが、導入効果を高めるうえでは重要なポイントとなります。

まとめ

ガイドラインや国際基準が求める継続的顧客管理を行うにあたっては、その前提となる顧客情報を常に適切に更新していくことが重要です。

マイナンバーカードの電子証明書を利用した「現況確認」と「最新基本 4 情報取得」は、その要件を効率的に満たす仕組みであり、金融機関をはじめとする各事業者においては、業務効率化とリスク管理強化の両立を期待することができます。

サイバートラストが提供する「iTrust 本人確認サービス」は、マイナンバーカード等を活用した本人確認機能だけでなく、こうした継続的顧客管理をより効率的かつ円滑に進めるための仕組みづくりも支援します。

制度や仕組みを理解していても、実際の導入にあたっては、本人確認時の同意取得フローの設計、社内システムとの連携、取得した情報の反映・管理まで含めて検討する必要があります。導入効果を高めるためには、制度の理解に加えて、実装や運用まで見据えた設計が欠かせません。

サイバートラストでは、制度理解から実装・運用設計まで、各事業者の要件に応じた導入検討を支援しています。現況確認や最新の基本 4 情報取得の活用をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の著者
 著者近影:山田 拓輝
山田 拓輝

2022 年サイバートラスト入社。入社後は iTrust サービス群のサポートを担当し、特に iTrust 本人確認サービスについてプロダクトマネージャーおよびプロジェクトマネージャーの補佐を担う。2025 年より iTrust 本人確認サービスのプロダクトマネージャー兼プロジェクトマネージャーを担当。

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