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タイムスタンプの利用とは?

~ これが最適解!電子帳簿保存法の押さえておくべきポイントを解説(第 4 回) ~

電子帳簿保存法の「真実性の確保」という要件を満たす方法として、見積書、請求書や領収書などの取引関連書類にタイムスタンプを付与することで、前号で解説しましたようにスキャナ保存、電子取引が混在する状況を踏まえ、スキャナ保存・電子取引にタイムスタンプを付与することで、運用や管理を効率化することが可能です。実際に帳票へタイムスタンプを付与した場合に、電子データでどのように見えるのか解説します。

取引関連書類については、紙に印刷して取引先より郵送もしくは PDF ファイルを電子メールに添付して送付してくることが多いかと思います。PDF ファイルにタイムスタンプを付与した場合、Acrobat Reader などで開くと以下のように表示されます。(紙の取引関連書類の場合は、スキャナ保存の要件に従い、PDF 化する必要があります。)

Acrobat Reader の署名パネル

PDF ファイルにタイムスタンプを付与するには、第三者機関であるタイムスタンプ局(Time Stamping Authority)へ利用者がタイムスタンプ生成要求を送信すると、タイムスタンプ局から証明書(TSA 証明書とも言う)付きのタイムスタンプが発行され PDF ファイルに埋め込まれます。タイムスタンプが付与された書類を Acrobat Reader などで「署名パネル」を開くと、タイムスタンプが生成された日時が表示されます。
取引関係書類にタイムスタンプを付与することで、その日時から存在している「存在証明」と、改ざん・改変されていない「完全性」を示すことができ、「真実性の確保」という要件を満たすことができます。

 署名のプロパティ

タイムスタンプが付与された取引関係書類の PDF 形式のファイルが改ざん・改変された場合、Acrobat Reader などで開くと、以下のように表示されて判別することができます。

 無効な署名

ポイント

タイムスタンプを付与することにより、「存在証明」と「完全性」を担保することができ、「電子帳簿保存法の要件である「真実性の確保」を満たすことができます。

それでは、タイムスタンプはどのようなものを利用すれば良いのでしょうか?そんなことを質問されたい方が多いのではないかと思います。

質問: タイムスタンプはどのようなものを利用しても良いですか?
回答: いいえ、電子帳簿保存法では総務大臣が認定したタイムスタンプを利用する必要があります。
※2023 年7月 29 日までは、経過措置として 一般財団法人日本データ通信協会 が認定したタイムスタンプの利用が認められています。

サイバートラストが提供する「iTrust リモート署名サービス」では、 総務大臣認定のタイムスタンプ が利用可能となっていますので、電子帳簿保存法対応にご利用いただけます。

タイムスタンプ付与以外に必要な対応として、電子帳簿保存法で定める保存の要件があります。管轄の税務署や国税庁の調査が入った場合に、課税期間中における任意の期間を指定され、担当者はその該当期間内のタイムスタンプを付与した電子データの検証(有効性確認)ならびに総務大臣認定のタイムスタンプが利用されているかを一括で行う必要があります。

ポイント

「iTrust リモート署名サービス」では、この一括検証の機能を提供しております。また、総務大臣認定のタイムスタンプが利用されていることも検証結果として返却できるよう準備を進めています。

タイムスタンプの付与については、

  • スキャナ保存の場合:受け手が付与する
  • 電子取引の場合:送り手/受け手のどちらかが付与する

ということになりますが、自社から取引先に発行する書類が、間違いなく自社が発行したものと証明するためには、電子署名付きのタイムスタンプ(以下、e シール)を付与して対応することができます。
e シールを付与することで、「いつ」「誰が」「何を」ということを担保することができ、「存在証明」「完全性」に加えて、「誰が」=「発行元」を証明できるようになり、より信頼性が高くなります。

ポイント

「iTrust リモート署名サービス」では、e シールの利用が可能となっており、Acrobat Reader などで PDF ファイルを開いた際に、一目で書類の発行元確認が行えます。

 書類の発行元確認

なお、総務省では、タイムスタンプについての動画を公開し、タイムスタンプの利用を促進しています。

(出典)総務省

4 回にわたり、電子帳簿保存法対応について解説しました。紙と電子データが混在する取引が多いと思います。業務の効率化を考慮すると、紙は「スキャナ保存」し、「電子取引」は、印刷して紙で保存することは認められていませんので、そのまま電子データで保存することが必要です。

サイバートラストでは、請求書や契約書の電子化が進むなか、企業や組織のセキュアな DX 推進を支援し、DX における課題に対応し安心・安全に利用できるソリューションを提供しています。

見積書・注文書・請求書・受領書や契約書などの各種書面の電子化、証書・証明書などの電子化における発行元証明と改ざん対策を可能にする「iTrust 電子署名用証明書 」ならびに「iTrust リモート署名サービス 」を提供しています。「iTrust 電子署名用証明書」を発行する電子認証局は、Adobe 社の Adobe Approved Trust List(AATL)に対応しているため、Acrobat Reader で開くと「署名済みであり、すべての署名が有効です」と表示され、視覚的に信頼することができます。「iTrust 電子署名用証明書」は、お客様の規模や用途に応じてデジタル署名を行うために、「iTrust リモート署名サービス連携タイプ」「HSM タイプ」「USB トークンタイプ」の 3 種類を提供しています。

USB トークンタイプでは、「iTrust 電子署名用証明書」をサイバートラストが USB トークンに格納したものをご提供します。お客様のパソコン上で、Adobe Acrobat や Adobe Reader などのアプリケーションを用いて、デジタル文書へのデジタル署名が可能です。また、Adobe Acrobat や Adobe Reader などにタイムスタンプの設定を追加することで、デジタル署名時に認定タイムスタンプを付与することが可能です。また、認定タイムスタンプの付与を無償 ※1 で提供しています。

※1
無償での認定タイムスタンプ付与には上限があります。
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