多くの実績を持つ iTrust サービスの採用により新規ビジネスの発展に寄与 安心の電子契約サービスを実現
事例企業: jinjer 株式会社
業種:ソフトウェア・情報通信・IT 規模:301~2,000人
事例カテゴリ:ワークスタイル・働き方改革業務効率化生産性・利便性向上
目的: 新型コロナでニーズの高まる電子契約サービスの信頼感向上に寄与
採用製品: iTrust 電子署名用証明書 iTrust 電子署名用証明書 ウェブサイト iTrust リモート署名サービス iTrust リモート署名サービス ウェブサイト
導入前の課題
新型コロナウイルスの感染拡大に伴ってテレワークが浸透し、多くの業務がリモートで実現できるようになったが、紙とハンコで処理されていた契約書だけは出社して扱わざるを得ず、さまざまな企業の現場で改善要望のニーズが見られていた。そうした市場ニーズに応えるためクラウド型電子契約サービスを企画開発する中、確かな実績を持ち顧客にも安心感を与えられる電子契約サービス基盤を模索していた。
導入の目的・解決手段
電子契約の仕組みにおいて、電子署名に用いる電子証明書については、世界基準の監査に合格し、利用者が視覚的に安全を確認できる「AATL」に対応する iTrust 電子署名用証明書を採用、またクラウド型電子契約サービスと連携しリモートで署名を行うサービスについては、JIPDEC の厳格な審査に基づき運用される「JIPDEC トラステッド・サービス(電子契約)」として登録されている iTrust リモート署名サービスを採用。サイバートラストのスピーディな対応により、異例のスピードで開発からリリースまでを実現した。
導入効果
多くの実績を持ち、かつ厳格な監査基準にもとづき運用される iTrust サービスと提携していることに信頼感を抱き、新規サービスの顧客拡大につながっている。AATL 対応により UX の観点でもお客様に安心を与えられることと、API が豊富で柔軟に拡張できることも採用のポイントになっている。認証分野に関する法的・技術的な知見に裏打ちされたアドバイスを参考に、今後も本人確認基盤の構築などでも協力を深めていく。
サービス導入の背景
人材サービスを中心に、保育、介護、ヘルスケアなど幅広い領域に事業を拡大していた jinjer(取材当時、ネオキャリア)は、5 年ほど前からはテクノロジーに力を入れ、当時から数多くのエンジニアを内部に擁して、クラウドベースの人事向けプラットフォームサービス「jinjer」をはじめ、さまざまなサービスを開発、提供する HR Tech 企業へと変革しています。
そんな同社も含め、あらゆる企業に大きなインパクトを与えたのが新型コロナウイルスの感染拡大でした。緊急事態宣言を受けてテレワークに踏み切る企業が増加し、クラウドサービス活用の機運は一層高まりました。「クラウドサービスが世の中の主流になる中で、さまざまな人事のお客様のニーズに応えていこうと考えています」と jinjer のプロダクトデザイン本部 プロダクトデザイン部 本部長 松葉氏は述べています。
これとともにあらためて注目を集めたのが、長らく「紙」と「ハンコ」で処理されてきたさまざまな書類の扱いです。
「これまでは紙で扱うのが普通のことでした。しかし新型コロナウイルスの影響で、このためだけにわざわざ出社しなければいけない事態に不満を感じ、それが爆発したのがこの一年だったと思います。送信者も受信者も『やっぱり電子契約がいいよね』と、市場が一気に活性化しました」(松葉氏)。脱ハンコを巡る大臣の発言や、政府からの電子署名法における新たな解釈や見解の発表、派遣法改正なども追い風となっています。
こうした背景からjinjer がリリースしたのが、クラウド型電子契約サービス「jinjer サイン」です。文書の起案からレビュー、契約締結、保管に至るまでワークフロー全体をワンストップで提供し、人事部門が扱う雇用契約書にはじまり、業務委託契約所、請求書、申込書……などさまざまな書類をデジタル化し、事業者署名型の電子署名とタイムスタンプを付与するサービスです。工数やコストの削減につながるほか、記入漏れなどのミスを減らす効果も期待できます。
選択のポイント
jinjer では jinjer サイン のリリースに当たってサイバートラストと連携し、電子契約の電子署名で用いる「iTrust 電子署名用証明書」と、書面の電子化や電子契約で求められる電子文書の真正性を確保する「iTrust リモート署名サービス」の 2 つのサービスを採用しました。
jinjer では、バックオフィス向けサービスという事業の性質上、機微な個人情報も扱っています。このため社員のセキュリティ意識やリテラシー向上に向けた e ラーニングにはじまり、サービス基盤の定期的な脆弱性診断に至るまで、さまざまな側面から情報セキュリティ対策を実施してきました。当然ながら、契約書などを扱う「jinjer」についても高いセキュリティレベルを維持すべく、さまざまな施策を打っています。
iTrust サービスの採用に当たっても、セキュリティに裏打ちされた信頼を重視した。「電子署名、タイムスタンプは、デジタル時代の法的関係を担う非常に重要な基盤です。そうしたサービスを提供するに当たって、しっかりとした実績があり、信頼できるパートナーと組むべきだという思いがありました」(松葉氏)
中でもポイントとなった点は 2 つあります。1 つは、すでに多くの実績があったこと。もう 1 つは iTrust 電子署名用証明書が AATL(Adobe Approved Trust List)に対応しており、署名した PDF ファイルを Acrobat Reader で開けば「署名済みであり、すべての署名が有効です」と表示され、相手方によって署名されたことをしっかり確認できることです。
「UX の観点でお客様に安心感をどう与えられるかを考えると AATL 対応は必須の要件でしたが、iTrust サービスはそれを実現できる数少ないサービスの 1 つでした」(松葉氏)
さらに、API が豊富にそろっており、柔軟に拡張できることもポイントでした。jinjer ではこうした機能を活用し、jinjer と共通の人事データベースを基盤に jinjer サイン を活用しています。また、部署やグループ単位で閲覧・処理可能な契約書やその雛形・フォルダの階層管理といった、他社にない機能も実現しています。
iTrust サービス導入に当たって強く印象付けられたのは、そのスピード感だったといいます。「jinjer サイン」の開発を始めてからリリースするまで、たった 3 ヶ月半で進めることができました。電子署名を実施するに当たっての審査を 3 〜 4 日で対応いただくなど、サイバートラストのスピード感ある対応によって、スケジュール通りにリリースできました」(松葉氏)
リリースに向けて準備を進める中で、システムの技術的な面に加え、法律面で不明な部分が出てきたときには、「親身になって相談に乗っていただけました。緊急の問い合わせにも常にスピーディに対応していただき、信頼感につながっています」と松葉氏は振り返りました。
長年にわたって電子認証サービスを提供してきたサイバートラストならではの知見にも助けられました。本人確認サービスの市場動向や法律面でのアドバイスも得ることができ、jinjer サイン というサービスのあり方を検討する際の指針になったといいます。
導入効果と今後の展望
2021 年 2 月に提供を開始してから、すでに数百社を超える顧客が jinjer サイン を利用しています。「お客様が電子契約サービスを検討いただく際、『iTrust サービスを利用しているから信頼できる』という理由で jinjer サイン を選択いただくことも多く、顧客獲得に大きく寄与しています」と松葉氏はいいます。
すでにサイバートラストの存在を知る顧客はもちろん、初めて電子契約を検討する顧客であっても、国際的な監査規格である「WebTrust for CA」に合格し、また日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)の審査を経て「JIPDEC トラステッド・サービス(電子契約)」として登録されているといった裏付けを示すことで、安心して採用につながっています。
「10 段階評価で言えば、ほぼ 10 点満点に近いと考えています。スピード感やその後の対応から得られた信頼もあり、もしサイバートラスト以外のサービスを採用していたらどうなっていたんだろうと思うくらいです」(松葉氏)
サイバートラストとは共同でセミナーを実施するなどブランディング面でも協力関係を築いているが、今後も中長期的にさまざまなサービスで協力していく方針です。
「電子契約を展開する上で、どうしても自然人についての本人確認が求められる場面が増えてきます。今後は、法規制の動向も踏まえながらサイバートラストと一緒に本人確認基盤の構築も視野に入れて取り組んでいきたいと思います」と松葉氏。今後もさまざまなサービスを利用する顧客に安心してオンラインで業務ができる基盤を提供し、サイバートラストとともに機能拡充を続けていくと締めくくりました。
導入企業様のご紹介
jinjer 株式会社は、バックオフィス向けクラウドサービス『jinjer シリーズ』を開発・提供しています。『jinjer シリーズ』は、人事労務・勤怠管理・給与計算・ワークフロー・経費精算・請求書・電子契約・Web 会議など、バックオフィスを中心に幅広い業務の効率化を進めていきます。今後は、ソフトウェアのSaaS に限らず、世の中のあらゆるものを「as a Service」として提供していき、テクノロジーの力で持続可能な世界を構築していきます。
https://jinjer.co.jp/