民間企業が目指すべき Web アクセシビリティ対策内容とは？

～JIS 適合レベル AA に配慮した Web サイト制作を手軽に実現？～

法改正による Web アクセシビリティ対策の必要性

2024 年 4 月 1 日に障害者差別解消法が改正されました。
法改正前までは障害のある人への「不当な差別的取扱い」の禁止と、申し出のあった場合に「合理的配慮の提供」が行政機関のみ義務化されていましたが、この改正により民間企業においても「合理的配慮の提供」が義務化され Web アクセシビリティ対策の必要性が高まっています。
法改正による民間企業側で義務化が必要な内容や具体的な対策については、下記 BLOG 記事を参照ください。

「改正障害者差別解消法」施行による民間企業が必要な対策とは？

民間企業が目指すべき Web アクセシビリティ対策内容とは？

今回の法改正により、民間企業が明確に実施すべき内容は定義されていません。ただ、民間企業の Web サイトにおいても Web アクセシビリティに配慮されていないと、利用者の症状や状況によっては、Web サイトを介して情報を入手できなかったり、Web 上で行う申込みや手続きなどのサービスが利用できなくなったりするなど、社会生活で大きな不利益が生じます。
また、SDGs の目標の一つには「10. 人や国の不平等をなくそう」というテーマがあり、SDGs の観点からも、民間企業は Web サイトで提供している情報やサービスに誰もが安心して利用できるよう、環境を整備する必要性が高まっています。
Web アクセシビリティ対応自体は義務ではありませんが、今後は障害者や高齢者などから Web サイトに関する何らかの申し出がある際は、各企業側で負荷にならない範囲で対応が必要（義務化）となります。
Web アクセシビリティの環境の整備を実施することで、Web サイトを利用しやすいように文字の大きさや見え方を調整できる、音声のみでサイトを閲覧できるなど、誰もが安心して Web サイトの情報やサービスを利用できるようになります。

また、当改正法において民間企業などによる違反があった場合、直ちに罰則は課されませんが、内閣府の Q&A には下記の通り記載されています。

企業などがこの法律に違反した場合、罰則が課せられるのでしょうか。

この法律では、民間事業者などによる違反があった場合に、直ちに罰則を課すこととはしていません。
ただし、同一の民間事業者によって繰り返し障害のある方の権利利益の侵害に当たるような差別が行われ、自主的な改善が期待できない場合などには、その民間事業者が行う事業を担当している大臣が、民間事業者に対して報告を求めることができることにしており、この求めに対して、虚偽の報告をしたり、報告を怠ったりしたような場合には、罰則（２０万円以下の過料）の対象になります。

出典：内閣府「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律についてのよくあるご質問と回答＜国民向け＞」

上記の通り、直ちに罰則が課されることはありませんが、Web アクセシビリティ対策を実施することで、合理的配慮を求める申し出や訴訟に発展する可能性を低減できます。

総務省による手順書「みんなの公共サイト運用ガイドライン（2016 年版）」では、公的機関の Web サイトは JIS X 8341-3 の適合レベル AA に準拠することを目標としています。
民間企業においてもまずは同等の基準を目標として対策する事が良いと考えます。

出典：総務省　「みんなの公共サイト運用ガイドライン（2016 年版）」

アクセシビリティツールを導入で JIS 適合レベル AA に配慮した Web サイト制作を手軽に実現可能

JIS X 8341-3 の適合レベル AA 準拠を目標として対策する場合、リソースが足りずに着手に困っている Web サイト制作会社の担当者も多いと想定されます。
そのような場合にはアクセシビリティツールを導入することで、JIS 適合レベル AA に配慮した Web サイト制作を手軽に実現可能です。

サイバートラストが提供する「アクセシレンズ」は、Web サイトに専用コードを埋め込むだけで Web アクセシビリティ対策を実現する SaaS ツールです。
アクセシレンズは、JIS X8341-3 の適合レベル "AA" に配慮しています。