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イベントレポート

2017 年 11 月 07 日

IoT 社会のセキュリティを支える新生サイバートラストのパートナー戦略

50 億以上のデバイスがインターネットにつながる IoT 社会が、東京オリンピック/パラリンピックの翌年 2021 年には到来します。テレビや見守りカメラにスピーカーなどの身近な電化製品から、自動車やエアコンにホームセキュリティ、さらには工場の生産設備や公共施設の監視装置など、近い将来は多用な機器が IoT デバイスに進化して、私たちのビジネスやライフスタイルを便利で快適にしていくでしょう。その一方で、行政機関やテクノロジーの専門家が懸念している問題が、IoT デバイスの安全性です。

IoT デバイスの利便性はサイバー攻撃のリスクを増大させる

見た目は電化製品や単なるセンサーのような IoT デバイスでも、その中身は PC やスマートフォンに匹敵する高性能な IT 機器です。そのため、センサーが取得したデータをインターネットに送信するだけではなく、外部からハッキングされたり情報を盗み出される危険性が潜んでいます。350 億以上という IoT デバイスの普及は、現在の PC やスマートフォンとは比較にならないほど、セキュリテイのリスクを増大させるのです。

すでに何年も前から PC やスマートフォンは、その便利さの一方で「サイバー攻撃のリスク」という危険に晒され続けてきました。最新のセキュリティ対策では「攻撃されるのが前提」という認識のもとで、いかに攻撃や侵入を早期に発見して被害を最小限に食い止めるか、という対策も進んでいます。また、被害を未然に防ぐ最先端の予防策として「ホワイトリスト」と呼ばれる「検閲」による防御も注目されています。「ホワイトリスト」は、あらかじめ「信用できる」と判断されたアプリケーションだけを実行できるように制限することで、安全性を担保する防御技術です。こうした PC やスマートフォンでのセキュリティ対策は、これから普及が本格的になる IoT デバイスにおいても重要になってきます。

IoT デバイスを守る究極の「ホワイトリスト」が一気通貫の「認証」

便利で豊かな暮らしと、工場やオフィスなどの職場に革新や快適さをもたらす IoT デバイス。この IoT デバイスをサイバー攻撃のリスクから守る究極の「ホワイトリスト」に匹敵するセキュリテイ対策が、「鍵」と「証明書」と「認証」を組み合わせた「セキュア IoT プラットフォーム」です。すべての IoT デバイスにセキュアな利用基盤を提供する「セキュア IoT プラットフォーム」の基本は、半導体そのものに「鍵」と呼ばれる改ざん不可能な固有の識別情報を埋め込む技術です。IoT デバイスに「鍵」を入れる作業は、半導体を製造するメーカーが担当します。この「鍵」を基本として、安全な IoT デバイスの利用を実現するためには、「鍵」の正当性を担保しなければなりません。それが「証明書」になります。IoT デバイスの「証明書」とは、免許証やパスポートのようなものです。「鍵」のついた半導体に「証明書」を発行することにより、その機器が正当な存在であるかどうかを、インターネットに接続されている膨大な IoT デバイスの中から「認証」するのです。この「証明書」の発行や「認証」は、インターネットを介したクラウドから提供されます。そして、IoT デバイスを製品化する企業は、「セキュア IoT プラットフォーム」が提供する「証明書」と「認証」により、安全性の確保されたビジネスを実現します。

「セキュア IoT プラットフォーム」では、半導体に「鍵」を埋め込む事業者を「デバイスパートナー」として連携していきます。そして、その「鍵」の「証明書」と「認証」を利用してクラウドサービスを提供するテクノロジーベンダーが「サービスパートナー」になります。さらに、各パートナーによって信頼の得られたIoTデバイスでビジネスを推進する企業が「ビジネスパートナー」です

  • デバイスパートナー・・・チップレベルで連携する企業
  • サービスパートナー・・・クラウドや運用にアップデートなどで連携する企業
  • ビジネスパートナー・・・セキュアな IoT デバイスでビジネスを推進する企業

セキュア IoT プラットフォームを支えるパートナー企業の重要性

「セキュア IoT プラットフォーム」を実現するためには、連携するパートナー企業の存在が重要です。例えば、パスポートで海外に行くためには、最初に旅券の発行があり、その旅券を確認する出入国審査があり、それらをパスしてはじめて飛行機などで渡航できます。同じように、セキュアな IoT デバイスを商品化するためにも、各分野のパートナーが「セキュア IoT プラットフォーム」に参画して、安全性をつないでいかなければなりません。
10 月 24 日。サイバートラストは「セキュア IoT プラットフォーム」の発表会を開催し、そこで最初の 10 社のパートナーを紹介しました。

アーム株式会社
Taisys Technologies., Ltd
大日本印刷株式会社
日本電気株式会社
日本マイクロソフト株式会社
ミツフジ株式会社
株式会社ミルウス
株式会社ユビキタス
株式会社ラック
ラムバス株式会社

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この 10 社は、先の分類に照らし合わせると、次のようになります。

デバイスパートナー

アーム株式会社
アーム株式会社は、スマートフォンから産業用 IoT 機器まで、さまざまな半導体ベンダーにアーキテクチャをライセンスしている企業です。同社がパートナーになることで、これから製造される多用な IoT デバイスの中核を担う半導体に「鍵」を埋め込む取り組みが加速します。

サービスパートナー

ラムバス株式会社
ラムバス株式会社は、CryptoManager インフラストラクチャによるセキュアな鍵管理システムを提供しています。サイバートラストとは、2017 年 5 月にコネクテッド・デバイスのセキュリティ技術で協業を発表しています。今回の「セキュア IoT プラットフォーム」との連携により、さまざまなセキュリティの課題を解決するための統合基盤を提供していきます。

大日本印刷株式会社
大日本印刷株式会社は、情報イノベーション事業部に所属する C&I センターのマーケティング・決済プラットフォーム本部が、パートナーとして参画します。同本部は、認証事業を軸にセキュリテイのコンサルティング事業も展開しています。また、サービスパートナーとしてだけではなく、「セキュア IoT プラットフォーム」の研究開発も推進し、新しいサービスの市場投入にも取り組んでいきます。

日本電気株式会社
日本電気株式会社は、システムプラットフォームビジネスユニットの IT プラットフォーム事業部が、パートナーとして参画します。同事業部の推進する「安全安心な社会インフラ事業」にとって、IoT システムは不可欠であり、そのデバイスの高い信頼性はとても重要になります。同社には、顔認証などのクラウドサービスもあり、安心で安全な社会の実現に向けて、同社のサービスと「セキュア IoT プラットフォーム」を活用していきます。

日本マイクロソフト株式会社
日本マイクロソフトは、グローバルでクラウドサービスを展開しています。そのクラウドサービスにおいて、セキュアに IoT デバイスからのデータを交換するために、「セキュア IoT プラットフォーム」でサイバートラストの認証技術を用いて、日本の社会をより良くするための協業を推進していきます。

株式会社ユビキタス
株式会社ユビキタスは、IoT 機器に組み込まれるソフトウェアを開発しています。通信機器やカーナビなどの起動を高速化する独自の技術も提供しています。また、脆弱性を検証する検査ツールも開発しているので、IoT デバイス向けの診断サービスなどで協業していきます。

株式会社ラック
株式会社ラックは、24 時間 365 日のセキュリテイ監視サービスを提供しています。同社は、「セキュア IoT プラットフォーム」と監視サービスを連携させることで、IoT デバイスを活用したビジネスの安全性を守る取り組みを推進していきます。

ビジネスパートナー

Taisys Technologies., Ltd
台北に本拠を置くTaisysは、中国、香港、シンガポール、インド、南アフリカなどで事業を展開し、テレコム、金融機関、政府機関などに革新的なモバイルサービスを提供しています。主力製品のSIMoMEは、既存のSIMカードに貼り付けて利用することで、ひとつの SIM スロットで 2 つ目の SIM カードとして機能する超薄型 SIM カードです。同社は「セキュア IoT プラットフォーム」のパートナー企業として、より安全な SIMoME を開発して世界の市場に応えていきます。

ミツフジ株式会社
ミツフジ株式会社は、創業 61 年目の京都の繊維メーカーです。同社は、繊維からクラウドまでを提供する世界で唯一のウェアラブル IoT 企業です。繊維の自社開発と自社生産にこだわり、日本から世界に向けて、最先端の製品を提供しています。銀メッキ繊維 AGposs を用いたスマートウェアシリーズは、心拍、筋電、呼吸、脳波などの生体情報を収集できる IoT デバイスとして機能します。そこで「「セキュア IoT プラットフォーム」と連携して、安全なウェアラブル IoT 製品の提供に取り組んでいます。

株式会社ミルウス
株式会社ミルウスは、北海道大学発の認定ベンチャー企業です。同社は、「仮想センサ "miruWs"(ミルウス)」とデータを記録する「健康情報通帳 "miParu"(ミパル)」を開発しています。ミルウスは、生体情報を取得する物理的なセンサーと連携するアプリケーションです。複数のセンサーから得られる心拍数や体温に呼吸などの情報を仮想的に統合して、体調の急変などをリアルタイムで検知して通知します。また健康情報を記録する SD メモリカードのミパルでは、「セキュア IoT プラットフォーム」と連携することで、個人情報を安全に保護します。

今回発表された 10 社は、「セキュア IoT プラットフォーム」の発展にとって、重要なパートナーです。今後も、より多くの多用なパートナーが「セキュア IoT プラットフォーム」に参画することで、各社のビジネスの発展と、安全で安心な IoT 社会の実現が加速されます。

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