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イベントレポート

2023 年 12 月 19 日

世界初の AlmaLinux イベント AlmaLinux Day: Tokyo が開催される【前編】

後編は こちら

2023 年 12 月 9 日。世界初となる AlmaLinux のみに焦点を当てたイベントが、東京で開催されました。サポート終了を間近に控えた CentOS に代わるエンタープライズ Linux として、世界で急速に導入が進んでいる AlmaLinux のディストリビューションに携わるキーパーソンが来日し、オープンソースの歴史から最新のトレンド、そして未来のビジョンが語られました。

AlmaLinux の最新動向 (Built to Last)

セッションの動画は こちら

イベントの最初に登壇した AlmaLinux OS Foundation の CHAIR パーソンで、BOARD OF DIRECTORS の benny Vasquez 氏は、「AlmaLinux: Built to Last」と題してファウンデーションの取り組みと最新動向について講演しました。

講演の冒頭で benny 氏は、AlmaLinux OS Foundation 誕生のきっかけが「2020 年に CentOS のプロジェクトが Stream にシフトする」という宣言にあったと説明します。そして、オープンソースの意思を最大限に尊重し、永続して無償で利用できるエンタープライズ Linux を提供していくために、3 つの重要な指針を掲げて AlmaLinux OS Foundation が設立されました。

  • Neutral home for the project
  • Commnity governed
  • Accessible to everyone

それは、プロジェクトに対して中立を保ち、コミュニティとしての統治を重視し、誰もが参加できる開かれた活動を貫く、という方針です。そのために、AlmaLinux OS Foundation は、米国の公益非営利団体及び非課税団体として、501(c)(6) の認可を取得しています。公正で開かれた非営利団体によってディストリビューションされた AlmaLinux OS は、エンタープライズ Linux として 2022 年の 1 月から 2023 年 10 月までに、飛躍的な普及を遂げてきました。

benny 氏は「AlmaLinux の提供から、わずか 1 年で約 30 万のデバイスが CentOS からアップデートされました。また、2023 年 1 月には、CERN( 欧州原子核研究機構 ) が AlmaLinux の採用を発表し、2023 年 11 月の段階で 70 万デバイスで稼働しています。この数字は、稼働しているサーバーのみの統計なので、オフになっているミラーサーバーも加えると、より大きな導入実績となっています」と説明します。
CentOS に代わるエンタープライズ Linux として、顕著な成功を収めている AlmaLinux の実績について、benny 氏は「この大きな実績の背景には、コミュニティとしての真摯な取り組みと、オープンソースの意思に賛同する企業や個人の協力があります」と謝意を述べます。無償で提供される AlmaLinux には、ファウンデーションに賛同する多くの人たちの情熱が込められていて、ハードやソフトなどさまざまな形での支援があります。
講演の最後で benny 氏は「AlmaLinux OS Foundation は、コミュニティの情熱に支えられ、信頼できるエンタープライズ Linux として AlmaLinux のディストリビューションを通して、世界をより良いものに変えていく取り組みを続けていきます」と語りました。

エンタープライズ Linux コミュニティの本当の裏話

セッションの動画は こちら

続いて登壇した CloudLinux Inc. の CEO で、AlmaLinux OS Foundation を立ち上げた Igor Seletskiy 氏は、「The Real Backstory of AlmaLinux:AlmaLinux の真実」と題して、AlmaLinux 誕生の背景を語りました。

講演の冒頭で Igor 氏は、1993 年の Red Hat Linux 誕生から、2014 年までの CentOS の黄金期に触れ、2021 年の CentOS 8 のサポート終了、そして 2023 年に発表された Red Hat のソースコード一般公開停止までの歴史を振り返ります。Igor 氏は「Does everyone need enterprise linux distro?( エンタープライズ Linux ディストリビューションは誰もが必要ですか ?)」と問いかけ、次の 4 つの必要性を指摘します。

  • OS stability
  • ABI stability
  • Long term updates
  • Compliant & certifice

それは、エンタープライズレベルでの OS としての安定性に、多くのアプリケーションソフトとの互換性、長期的なアップデートの保証、そしてコンプライアンスと認証です。
Igor 氏は「Linux 発祥の経緯を踏まえるならば、私は Linux が無償の OS であるからこそ、これまで数多くのイノベーションをもたらし、さまざまなビジネスの機会を切り開いてきたと信じています。もちろん、コマーシャルレベルのエンタープライズ Linux も重要です。コマーシャル版だからこそ、安定したサポートや高次元でのコンプライアンスに認証などが保証されてきました」と話します。そして「エンタープライズ品質の Linux ディストリビューションを実現するためには、コミュニティが必要です。そのコミュニティは、買収されたり個人がオーナーシップを出さないようにするために、非営利な団体でなければなりません。そこで、AlmaLinux OS Foundation を創設しました」と Igor 氏は説明します。
AlmaLinux OS Foundation は、独立性を確保するために次のようなポリシーを掲げています。

no two board members are from the same organization
unaffiliated / community board members / board is responsible to the community full transparency

団体のポリシーでは、同一の組織から 2 名のボードメンバーが参画しないように配慮し、無所属とコミュニティ理事会メンバーが参画し、理事会メンバーはコミュニティに対して責任を負い、完全な透明性を確保します。
講演の最後に Igor 氏は「今後も AlmaLinux は、安定性と長期サポートを保証し、産業やベンダーの認証を重視し、コミュニティ全体にできるだけ役立つエンタープライズ Linux を追求していきます」と締めくくりました。

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この記事の著者
 著者近影:田中亘
田中 亘

IT 関連を中心としたライターとして独立し、約 35 年のキャリアを通して、オープンシステムやインターネットにクラウド・コンピューティングなど、最先端のテクノロジーや産業を中心に、取材と執筆に取り組んでいる。
また、1994 年に創刊した「できる Word」は、現在も最新刊を発行するベストセラーの入門書。

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